2017年12月26日火曜日

杉浦醫院四方山話―529『鉄道喫茶』

 本年も多くの方々のご支援ご協力で杉浦醫院も年越しできそうな年末を迎えることが出来ました。

杉浦醫院四方山話―492『元気もありがとう!ふるさと納税』 で始まった2017年でしたが、その後も遠く愛媛県からお越しいただいた方からも「ふるさと納税」をお寄せいただくなどご来館いただいた上に「文化財保護費に」と、複数件の納税をいただきましたこと、この場で恐縮ですが、御礼申し上げます。

 

 また、町内外の方々から庭園清掃始めとするボランティア活動をいただいたこと、教室やイベント開催の度にお手伝いいただいた方々、新たな資料をお寄せ下さったり資料づくりにご協力いただいた方々など挙げ出したらきりがない程です。

  

 ご支援ご協力をいただくばかりで、何のお返しもできなく心苦しいのですが、杉浦醫院四方山話―500『500話雑感又はチェ・ゲバラ』 の中で紹介した「八王子の鉄ゃん」様からは、古い「鉄道ファン」誌に掲載されていた「寄生虫列車」の貴重な資料をいただき、その後もさらに詳しい書籍の存在を教えていただいてきました。

 その後、「鉄ゃん」様は山梨に居を移し、この度甲府市で「鉄道喫茶」をオープンしたそうですから、今年の〆の明るいニュースとしてご紹介させて頂き、拙いお礼に変えさせて下さい。


このお店は≪鉄道喫茶 パンケーキコンテナ≫で、甲府市住吉4-13-25にあります。

上記をクリックして店のホームページに入ると、「鉄ゃん」様ことM氏が、東京での仕事を辞めて、鉄道過疎地・山梨での開業に至る「思い」と「情熱」が分かります。

 

 まあ、世間ではM氏のような人を「鉄道マニア」とか「鉄道オタク」と呼ぶのでしょうが、評論家岡田斗司夫によれば、≪独自文化を作り上げるかどうか、がオタクとマニアの違いである≫そうで≪マニアはできないが、オタクは独自の文化を作り上げることができる≫とオタクをポジティブに評価していますから、何となく揶揄気味の「オタク」も近年は否定的な意味は薄れてきたのでしょう。


 更に≪オタクは、なにかの趣味に強いこだわりをもつ人物という意味でも使われる。この意味では、こだわりの対象に対して、所得や余暇時間のほとんどを費やす「消費性オタク」と、「自分の趣味を周りに広めたい」「創造活動をしたい」と考える「心理性オタク」とに分類される≫と、評していますから、現在のM氏は、間違いなく「鉄道マニア」ではなく「鉄道オタク」で、「自分の趣味を周りに広めたい」「創造活動をしたい」と考える「心理性オタク」の典型、代表と云っても過言ではありません。


 もっと正確に言うと、所得や余暇時間のほとんどを「鉄道」に費やす「消費性オタク」だったM氏が、そこに留まっていられず「鉄道」を文化として広めたいと「心理性オタク」に止揚=アウフヘーベンした結果が鉄道喫茶店に結実しているのでしょう。

 

  M氏との話から、この「鉄道喫茶店」はレンタルレイアウトを走らせる広さが確保できる「場」を探し、確保することから始まり、内外装まで自分の手で行い、ホームページ開設やチラシ・ポスターも「自分でやります」でしたから、何から何まで全て彼が1人でやったので、開業も予定通りとはいかなかったようです。

 鉄道資料や書籍、グッズ、模型などの収集は幼少の頃からの蓄積、建築関係のノウハウは大学や会社勤めの中で習得、同時にパンケーキ・コーヒーも自信作のようですから、「ローマは一日して成らず」が集約されているお店だと云えましょう。

お店のホームページから借用いたしました
 

 当館は12月29日(金)から1月4日(木)まで休館になりますが、M氏が「鉄道文化不毛」の山梨から「鉄道文化」を全国に発信しようと敢えて甲府市で開業した「鉄道喫茶 パンケーキコンテナ」は、レンタルレイアウトも完成したので、年末・年始も休まず営業とのことです。「オタク文化」の神髄や鉄道文化を楽しみ、おいしいパンケーキもと、ホームページでアクセス等確認して足を運んでみては如何でしょう。