2016年8月15日月曜日

杉浦醫院四方山話―480 『お茶と落語と花火の集い』

 過日、当館2階の和室で甲府のお茶屋さんH園主催の「お茶と落語と花火の集い」が開催されました。表題の順番で進行し、先ずは「利き茶」。

「利き酒」同様、日本茶を「利き茶」して見分け味分けましたが、 茶葉の色と形からお茶の香り、味を確かめながら総合的に判断して自分好みのお茶を選定していくというものでした。

「利き茶」を重ねることで、茶葉の品種や産地も特定できたり、品質の善し悪しも見分ける力が付いてくるそうですから、9回目の今回の参加者は、この「利き茶」が目当ての方も多いのでしょう。


 約30分「利き茶」を愉しんだ後は、山梨落語研究会代表の紫紺亭圓夢さんの落語「たが屋」でした。「利き茶」でも閉めの市川大門の花火屋さんの話に合わせて峡南地区の「南部茶」が取り上げられていましたが、圓夢さんも江戸時代の両国花火大会での庶民と武士のケンカ沙汰を扱った古典「たが屋」を上演しましたから、集い全体の統一性まで視野にした細かな演出も感じられました。

 
 

 この集いは、これまで甲府市民会館の会議室で行って来たそうですが、四方を壁に囲まれた無機質な会議室では、お茶も落語も…と言う事で、和の雰囲気漂う当館での開催について、3月に打診がありました。

 「8月7日の花火の日の前、5日に開催したい」と云うことでしたから「当館は昭和前期の当時のままを観ていただく施設ですから、全館冷房もありません。よりにもよって8月の暑い時では、参加者も大変だと思いますよ」と、庭園も色づく10月頃の開催を提案しましたが、「暑いときに熱いお茶もいいものですし、是非8月5日に・・・」との固い意向での開催でした。

 

 当日は、この夏一番の猛暑日でしたが、開演前から定員いっぱいの参加者が集い、団扇や扇子片手に外国製の安直な線香花火が主流となってしまった中、日本古来の手造り線香花火の違いや良さなど最後まで熱心に聞いて、持ち帰って味わえる「線香花火」をお土産に集いは終了しました。

2016年8月7日日曜日

杉浦醫院四方山話―479 『ブログ再開の弁』

  レストランや居酒屋で注文した料理を食べる前にスマホなどのカメラで先ず撮影する人を見かけたことのある人は私に限らず多いことでしょう。

 

 また、50代女性から「シャメで送るから」と言われ「シャメ」が分からず、同僚に「写真付きメール」の略語であることを教えてもらってからも料理は食して味わってナンボと思っていますが、カメラに納めた写真を友人などに「写メ」して「いいね」の返答も新たな交友ツールのようですから、外野がとやかく言うこともないと納得しました。

 

 この手の写真付き短文の投稿もブログにカウントされるのか、ブログ検索会社のテクノラティ(米)の調査によりますと、世界には約7000万のブログがあり、日本語のブログ投稿数は全体の37%を占め、2位の英語36%を上回っているそうですから、日本は世界一のブログ大国のようです。

小さな日本語圏の投稿数が英語圏を凌ぐのは、携帯電話での投稿ができることが大きな要因だそうですから、日本独自のケータイ文化がブログ大国日本の土壌となっているのでしょう。 

 

 そんな世界一のブログ大国とはつゆ知らず、ホームページ更新の手段として「ブログ」を書いてきましたが、傍から見れば前述の「料理写メ」と五十歩百歩で「日本一とか世界一というテッペン万歳に手を貸すのも何だかなー」の気分で、7月はその辺がネックになり結果的に休止状態でした。

 

 「いいね!」も「どうでもいいね」としか解せない偏屈な私ですが、ブログの内容や感想をわざわざ来館して面と向かって話してくれる友人・知人が何人かいることはありがたくうれしいことでした。

5日(金)に開催した「お茶と落語と花火の集い」に「準備には手数が必要だから」と早々に駈けつけてくれたボランティア部長・坂下嘉和氏もそんな一人ですが、開口一番「このところブログが更新されないけど何かあった?」と聞かれてしまいました。

 

 本来怠け者の上に甲府盆地の暑さも重なると口実にも事欠かず、ずるずるといってしまいそうな感じでしたが、再開のきっかけも顔を合わせてきちんと問うてくれる友人でした。それは単純ですが「どうでもいい人」と「掛け替えのない人」の実存の違いをあらためて思い知らされ、ブログは全て同類と云った薄っぺらな判断も恥ずかしくなり、当初の目標500話まで有終の美となるよう残り20話を書いていこうと思います。