2018年7月5日木曜日

杉浦醫院四方山話―547『NHK・ヤマナシ・クエスト』


NHK甲府放送局のH・Pからのコピーです。
 

 NHK甲府放送局が県内各所で取材し、地域に根差した話題や課題を特集して月一回提供している番組が「ヤマナシ・クエスト」です。4月から何度か当館にも取材にみえたOディレクターは、甲府局に配属が決まってから温めていたのが「地方病」だったそうで、甲府局の資料室で「地方病」に関連する過去の番組やニュースも全て観た上での取材でした。

 

 若いO氏が、敢えて今回「地方病」をQUEST(探索・探求)して、番組にしようとしたのは、山梨で風化の一途をたどっている「地方病」を新たな視点で見直し、多くの県民に知らせたいと云う情熱からのように感じました。

 

 その新たな視点とは、山梨県外の視点の導入でしょうか?

 

 当館が「地方病」を伝承していく視点は、一貫して「解明」と「終息」に果たした山梨県民の苦難の歴史とそれを乗り越えた業績と功績、そこに内包されている物語が主なテーマです。

それは、これだけ特有な「病」を有耶無耶にしてきた山梨県の地方病への歴史認識に対する杉浦醫院を有する昭和町の姿勢とも言えます。

 

 「地方病は終わった」のは確かですが、一世紀以上にも及ぶ地方病との闘いの歴史は、終息宣言で終わっている訳ではありません。

 

 今回のNHKの番組がどんなテーマでどういう構成になるのかは分かりませんが、Oディレクターの取材内容からすると、山梨特有の風土病だった「日本住血吸虫症」が、世界に眼を転ずれば、まだまだこの病で苦しむ多くの人たちがいて、山梨で終息させたその歴史や方法を学び、母国の患者救済と終息を願うアジアの研究者が、ヤマナシで地方病を学ぶ意味や姿も紹介されるのではないかと期待しています。

なにはともあれ、Oディレクターの熱意がどう番組に凝縮されるのか?楽しみに放映を待ちたいと思います。

 

 放映日は、NHK総合 7月20日(金)午後7時30分からの「ヤマナシ・クエスト」です。