2017年8月21日月曜日

杉浦醫院四方山話―515 NHKeテレ『よろしく!ファンファン』 

 8月18日にNHK教育テレビで放映された「よろしく!ファンファン」のDVDを担当されたSさんが送付くださいましたので、早速拝見しました。

 Sさんによると今回は「地域の困難に立ち向かった人々」をテーマに甲府盆地で400年以上に渡って地域の人を苦しめた「日本住血吸虫症」(地方病)を取り上げ、その治療や撲滅活動に尽力した杉浦健造・三郎医師の取り組みから、先人たちの思いや努力、そしてそれが今の生活にどう息づいているかを子どもたちに伝えたいという制作意図でした。

 

   この番組は、小学校4年生向けの社会科の番組だということで、Sさんは6月末から何度も来館して取材を重ね、その上でカメラマンと音声担当者と共に7月に3日間甲府に滞在して収録し、編集して、18日の放映と云うスケジュールの中で仕上げた10分間の番組でした。

 

 Sさんのアイデアなのでしょう、日本の調査に3人の宇宙人が多機能ロボット「ファンファン」と共にやって来て、日本人と仲良くなるために日本人の暮らしや考え方を知る計画を立て、今回は「地域の困難に立ち向かった人」ということで、日本住血吸虫症と杉浦父子や地域住民の取り組みを3人が知りたいことを「よろしく!ファンファン」とロボットに依頼して、ファンファンがフットワーク良く調査して報告するという展開でした。私から見ると有能なロボット・ファンファンは、Sさんその者でした。

 

 宇宙人の3人もそれぞれが「時間」「空間(地形)」「人」という3つの視点から知りたいことをファンファンに依頼するという設定ですから、子ども達にも視点を持って考えたり調べることの大切さを知ってほしいという「教育的指導」も組み込まれていて「なるほど」と唸ってしまいました。

 

 また、10分間の番組とはいえ、NHKが収蔵している貴重な映像が要所要所に入り、私たちも初めて観る映像もありましたから、小中学生に限らず当館で是非ご覧いただきたいと思います。

 

 この「よろしく!ファンファン」は、来年春から小学校4年生にシリーズで放送していくことを想定した実験番組だということで、その開発番組を任されたSさんにはさぞプレッシャーもあったことと思いますが、私に欠落している若さと緻密さと丁寧さをバランスよく持ち合わせたSさんには、ある意味楽しい制作だったのかもしれません。

 

 昨日来館した小学生、中学生にも「新着の特別番組をどうぞ」と勧めると、保護者も含め大変好評でしたから、当館の映像資料に新たな一枚が加わり、見学者にも選択肢の幅も広がりました。この場をお借りして、S様はじめNHK教育テレビのスタッフの皆様に御礼申し上げます。