2015年12月11日金曜日

杉浦醫院四方山話―458 『盲学校の小学生』

 過日、県立盲学校小学部の4年生が担任の先生と来館されました。事前にN先生が数回打ち合わせに見えましたが、「バリアフリー」と云った言葉も概念も無かった昭和4年の建築ですから、玄関の段差をはじめ館内はある意味二人には「危険がいっぱい」で、さっそくR君からも「バリアフリーじゃないですね」と指摘されてしまいました。

 
 

 N先生から「県立博物館や美術館などは、展示品がガラスケースに納まっていて、この子たちには向かないんです。その点ここは、触ったり使ったりが出来るので・・・」と当館を見学場所に設定した理由は聞いていましたので、出来るだけ時間をとって心行くまで体感してもらう様案内しました。

 

 

 2枚目の写真のようにR君は、「この高さなら踏み台なしで僕は上がれるよ」とベッドにも自力で上がりましたから、「地方病の患者さんはここに寝て、三郎先生が静脈注射を打って、お腹の門脈に住んでいた虫を退治してもらいました」と、具体的に話すことも出来ました。

 
 

 農具や石碑からピアノまで杉浦醫院内にある全てを2時間かけて体感しましたが、DVDも観賞して「健造先生と三郎先生の声を聴きたかった」と開口一番の感想に映像を音声で想像する二人には、健造先生と三郎先生の声が頼りだったことを教えられました。

一つ一つ自分の手や体で確認して、見学した物の形や名前を覚えていく好奇心と意欲に案内し甲斐がありました