2014年1月17日金曜日

 杉浦醫院四方山話―305 『ホタル幼虫放流・第一弾』

 
 都市化の進む昭和町にあって、杉浦醫院庭園の池は、源氏ホタルの生息には屈指の環境であることが、放流した幼虫の羽化数からはっきりしましたので、去年の六月からNPO楽空(らく)と協働で、旧車庫に水槽五基を置いて源氏ホタルの幼虫を飼育してきました。       毎週金曜日に西条地区の水路で、エサのカワニナを採集して水槽や池に入れてきましたが、ここにきて冬枯れの水路には水がなく、カワニナ採集も難しくなってきました。池には放流してきたカワニナが多数定着していることもあり、今年は幼虫を今月から順次放流してみようと第一弾の水槽一基を今日、放流しました。
  水槽の水を抜いて、目につく幼虫をピンセットで移したのが、上の写真で40匹程いました。
一般的には、この時期になると幼虫はエサを食べなくなると言われていますが、カワニナの減り具合が激しいので、未だ食べてるなと思っていましたが、下の写真のようにカワニナに頭を突っ込んで、食事中の幼虫も複数いました。
また、幼虫の大きさも様々ですから、まだまだこの先エサを必要とする幼虫もあり、新鮮な池のカワニナで大きく育つことを祈らずにはいられません。

 水を抜いた水槽を池に運び、下に敷いていた小石や砂利の中の幼虫を拾い出したのが、右下の写真です。50匹以上ゆうにいましたし、石に紛れた幼虫は、悲しいかな老眼では拾いきれませんから、今回の第一弾水槽は、独断で幼虫120匹としました。       
 

 例年3月に一斉に放流している幼虫を今年は今日から順次放流していくのは、昭和町源氏ホタル愛護会の目標でもあるホタルの自生に向けた取り組みの試行でもあります。   以前からあった「幼虫飼育と放流を繰り返すだけでは、本当の意味のホタル愛護ではない」とする批判は、愛護会でも協議し、自生に向けた環境づくりにも取り組んできましたが、町内にあっては「光」害問題が、安全安心の町づくりからも難問でした。
 杉浦醫院庭園の池は、放流したカワニナが一年目から自生したことから、「ホタルの自生も可能ではないか」と云う期待が、膨らんできました。そこで、今年なるべく沢山の成虫を発生させ、この池で産まれた卵が孵化して幼虫になり、池のカワニナを食べて成長し、蛹化し、羽化して初夏に舞う、源氏ホタル自生のサイクルを定着させたいとの思いです。その為に、放流する幼虫の数もなるべく正確に数え、成虫になる割合も測ってみようと思います。
 

 そうは言っても水槽から池へと移された幼虫は果たして喜んでいるのでしょうか?「水」に慣れるには人間でも時間がかかります。ましてや鯉や鮒こそいませんが、ザリガニはいますので、餌食にされる幼虫も多いかと・・・・事務室に戻ってカレンダーを見ると今日は「仏滅」でした。人間の勝手な計画や思いに翻弄される幼虫も物言わぬが故に不憫でもありますから第二弾からは、せめて「大安」に合わせる位のオモテナシはしようと思います。