2013年11月27日水曜日

杉浦醫院四方山話―293 『ヨロビ起こし-2』

  基礎の石を外し地面を掘り下げて、砕石と コンクリートで補強された地面に再度基礎の石が水平に積まれました。                 そこに土 壁の芯「コマイ」が入るよう中央に溝を彫った新しい土台を入れる微妙な工事が始まりました。基礎石の上に新しい土台が入るようジャッキで、壁全体をギリギリまで上げて、土台を置くと写真でもお分かりのように壁と土台の間にきれいな水平線が描かれました。(写真上)

 ここから、土台にあて木をして、基礎石の中央まで叩いて押し込んでいきます。
 既存の柱の垂直を確認しながら、新しい土台と柱ががっちり組み合うまで打ち込んだところで、ジャッキを下げると重量で柱と壁が刻んだ溝に入り、ピッタリおさまりました。(写真中)
このように文章で説明すると10行足らずの工程ですが、実際は付随して起こる予期せぬ問題への対応が多く、引っかかるコマイをのこぎりで切ったり、隙間に合わせたクサビを作って打ち込んだり等々、簡単には進みません。
特に古い部材と腐食して交換が必要な部材をつなぎ合わせる個所は、採寸して刻んで繋ぐ訳ですが、何か所もある繋ぎ目を合わせる加工には技術と手間がかかり、きっちり納まる度に「やりますねー」と、自然に称賛の声になります。