2012年6月16日土曜日

杉浦醫院四方山話―148 『註文請書-2・ルノー乗用車』

 この請書を更に見ていくと支払い金55万円は、現金払いであることも分かりますが、何より気になったのが、「6.下取中古車両」欄の記載です。下取り車は、1958年式ルノー乗用車壱輌とあり、クラウン納車時に24,1000円で引き取り、相殺して、55万円のRS20クラウンとなります。山梨トヨタは、簡単に「1958年式ルノー乗用車」と書いていますが、この時代のルノーは、名チューナーとして伝説のゴルディーニが関わった時期と重なりますから、あの名車ルノー4CVだったのか?それとも1958年に発売開始となったドーフィンをベースに、魔術師アメデ・ゴルディーニの手でチューニングされたスポーティーモデルのドーフィンなのか? 早速、純子さんに聞いてみました。
「そうですね。クラウンの前はルノーでしたね。ルノーは小さな車でした。小さくてクラウンに変えたように記憶しています」「クラウンの後、イギリスですかオースチンと云う車になったときもありました。アメリカのスチュードベーカーにした時は、ガソリンをばら撒いているようだからとすぐ変えましたね」と、県内女性ではいち早く運転免許を取得した純子さんは、車情報や知識も豊富です。
三郎先生は「新しい物好きだった」とよく純子さんが評してますから、大きさと云い間違いなく左の写真の1958年発売のドーフィン・ゴルディーニでしょう。当時の販売価格は、どこを調べても分かりませんが、「2年の落ちのドーフィン・ゴルディーニが、24万円はないよな~」が正直なところです。
昨年の東京モーターショーでもルノーは、「ルーテシア・ゴルディーニRS」を前面に出し、日本でも限定30台を発売しましたが、発表会場で完売になりました。そのカタログにも「ゴルディーニRSの車名の由来は、1958年から約20年にわたりルノーの高性能モデルを手掛けたエンジニア、アメデ・ゴルディーニの名にちなむ。ゴルディーニが手掛けた第一号車は『ドーフィン・ゴルディーニ』で、エンジンチューニングが施され高性能ラグジュアリーモデルとして人気を博した。」とあります。ゴルディーニ参画後のルノーは、モンテ・カルロラリーでの活躍はじめルノー黄金期を形成しましたが、傾きかけたルノー再生に引っ張り出された「ゴルディーニ」。同じく起死回生を狙う日産も「ダットサン」名を復活させたり、「昔の名前で出てきました」作戦。やはりターゲットは「昔の名前で出ています」世代の団塊世代でしょうか?