左が、現在から14年前の1994年7月発行の単行本で、右が2001年2月発行の文庫版亀谷了著「寄生虫館物語」です。亀谷先生は明治42年生まれで、2002年に93歳で亡くなりましたから、冥土の旅に文庫本片手に出られた訳で、何だかそれだけで、救われた気分になってきます。
単行本の帯コピーは「迷惑かけない寄生虫生活」と亀谷先生のテーマが前面に出ていますが、文春文庫では「怖いもの見たさ!?」と、文庫戦争を勝ち抜く戦略的コピーが痛ましく、寄生虫を愛した亀谷先生ですから、さぞ苦笑されたことでしょう。
私たち団塊世代では、子どもの頃「虫下し」と云う薬は日常的でした。それだけ当たり前のように回虫や蟯虫がお腹の中にいたのでしょう。その腹いせか「俺たちの世代にはアトピーや花粉症なんて云うヤワな病気はなかったよなー。今のガキにも回虫くらい飼わせればいいんだ」と迷言を吐く経験主義者もいます。その辺の信憑性は、カイチュウ博士として著名な藤田紘一郎先生の著書にありますが、亀谷先生も医者でしたが、寄生虫はダイエットに効くとか、花粉症によいとか云った効能には一切言及せず、せっせと収集した愛すべき寄生虫の生態について、詳細を記しているのが、カイチュウ博士と違う所でしょう。
一般的には忌み嫌われる寄生虫ですから、亀谷先生も変人扱いされた時代が長く、著書もあまり知られていないのが実態ですが、設立した目黒寄生虫館は、現代ではユニークなデートスポットとしても人気ですし、藤田カイチュウ博士もTVなどでもご活躍ですから、先駆者・亀谷先生の情熱と研究成果は、語り継がなければなりません。
亀谷先生は、寄生虫に魅了され寄生虫が可愛くてたまらず、この愛しい寄生虫の素顔や本当のことをより多くの人に知ってほしいと夫妻で着る物など一向に構わず、寄生虫館開設の夢に全てを投じた人生であったことが、この本からひしひしと伝わります。
一般的には忌み嫌われる寄生虫ですから、亀谷先生も変人扱いされた時代が長く、著書もあまり知られていないのが実態ですが、設立した目黒寄生虫館は、現代ではユニークなデートスポットとしても人気ですし、藤田カイチュウ博士もTVなどでもご活躍ですから、先駆者・亀谷先生の情熱と研究成果は、語り継がなければなりません。
亀谷先生は、寄生虫に魅了され寄生虫が可愛くてたまらず、この愛しい寄生虫の素顔や本当のことをより多くの人に知ってほしいと夫妻で着る物など一向に構わず、寄生虫館開設の夢に全てを投じた人生であったことが、この本からひしひしと伝わります。
では、次回からの「怖いもの見たさ!?」は、先ず「サナダムシ」と云われている学名「日本海裂頭条虫」から始めましょう。