2012年6月19日火曜日
杉浦醫院四方山話―149 『ザリガニ釣り』
この季節、杉浦醫院の庭園は、若葉・青葉が茂り、散歩コースには最適です。赤ちゃんを抱いたお母さんがベンチに座り、親子で緑を楽しんだり、イオンの買い物帰りだと云うご夫婦が庭から建物を観賞したり、ウォーキングサークルの皆さんが15分の休憩場所にと目的に応じて様々です。散歩ではありませんが、ここ毎日「ホタル観賞会」に来た子どもとお母さん、お父さんが、放課後や週末、庭園の池でザリガニ釣りに興じています。
ホタルの幼虫を放流しても池に鯉や鮒、ザリガニなどがいると幼虫は食べられてしまうことから、この池には魚は入れないようにしてきましたが、ザリガニは自然発生して増えてきました。そんな訳で、観賞会の折に「ザリガニは捕ってもいいよ」と話したのがきっかけで、近所の何組かの親子が、網持参で、ザリガニ捕りを始めました。「一網打尽」と云う訳にはいきませんが、水底の枯葉や土と一緒にすくい上げる捕り方は、感心しません。安直なイベントや体験教室で「マスのつかみ取り」が開かれ、逃げ場のない水槽やプールに放たれたマスを追いかけて捕まえたり、網まで用意しての「つかみ取り」は、「子どもに卑怯を教えているようなものだ」と毒づきたくなるのは、私一人ではないでしょう。そこで、「ここのザリガニは網でなく、釣って欲しい」と話し、木綿糸と割りばしを用意して、エサは家にある煮干しでもイカでもその辺のカエルやミミズでも良いことを教えました。「ザリガニも命がけでエサを喰いに来る訳だから、君たちもそれなりのテクニックを学ばないとザリガニに失礼だし釣れないよ。引き揚げるタイミングとスピードを覚えると面白いほど釣れるけど名人になるには時間もかかるさ」と。翌日からそれぞれがバケツと釣り糸、エサを持って、4時前後から暗くなるまで釣っています。日曜日にはお父さんも加わり、釣り堀の様相を呈していたようですが、「庭で子どもの声が絶えず、にぎやかでいいですね。父や祖父も喜んでいるでしょう」と純子さん。「○○くんが網でとってました」のチクリには「網は卑怯だと君が教えてやればいい」「卑怯って?」「正々堂々、ザリガニと一対一で勝負するのが釣り、網は卑怯。分かった?」「でも○年生だもん」「歳が上でも下でも関係ないジャン。ザリガニだったり、年下だったら何してもいいっていうのが卑怯なんだから」「分かった」偉そうに道を説くほどハズカシーことはないのに気がついたら説いていました。「ハズカシィー!」