「そうそう、すっかり忘れていましたが、学校に入る前だったと思います。あそこで、まりつきをした覚えがあります。」と純子さんの明晰な記憶がまた一つ蘇りました。
過日、文化庁文化財参事官(建造部担当)付・主任文化財調査官(登録部門)という長い肩書のK氏が、杉浦醫院の視察に訪れました。杉浦醫院を国の有形登録文化財に申請するにあったての事前視察です。早川町から市川三郷町を経て、昭和町へと、この日県内3件目の視察でした。
ゴムまり以前の手鞠 |
「まりつき」もすっかり見かけなくなりましたが、言葉の響きと共に覚えやすくリズミカルな歌がなつかしく「まりつき歌は、<あんたがたどこさ>でしたか?」「私は、てんてんてんまり てんてまりっていう・・」「あっ、<まりと殿様>ですね」といった「まりつき歌」談議になりました。歌いながらゴムまりをつき、最後は、お尻とスカートでまりをおさめて終わる女の子の遊びをチャンバラなぞしながら眺めては「何だか男の遊びは情けねぇーなー」と思った少年時代の思いと女の子へのあこがれをK氏と純子さんが呼び起こしてくれた視察でもありました。
*屋外から基礎をたどっていくと確かに醫院長室の下だけコンクリートタタキ跡が残っています。