2014年6月16日月曜日

杉浦醫院四方山話―344『早くも来年の・・・・』

 今月の初めに開催した「ホタル夜会」の報告を前々話でしましたが、旧車庫の「源氏館」では、早くも来年3月放流予定の幼虫を孵化させるべく、NPO楽空との共同飼育が始まりました。

 
 この六水槽には、カワニナの稚貝が入っています。水槽上部に白いカゴ状のモノが浮いて?いますが、これにメスボタルが産卵したホタルの卵を入れて、約半月後から始まるの孵化を待ちます。卵は、自然界では水辺の苔や葉に産み付けられますが、種ホタルはガーゼを敷き詰めた虫かごで産卵しますから、ガーゼが水面と接するように四角いカゴにガーゼを並べます。
水槽の水は蒸発して水位が下がりますから、常時濡れているよう点検しておくことで、孵化した幼虫はそのまま水槽に落ち、カワニナの稚貝をエサに成長していくと云うシステムです。
 

 
 白いガーゼに黒ずんだ黄ばみが、卵です。日増しに黒くなりやがて孵化して水槽内で約8ヶ月を過ごし、町内の河川や池に放流されます。孵化したばかりの幼虫は点と云った感じの小ささですから、エサのカワニナも小さな稚貝でないと食べれません。9月頃までこの稚貝採集を続け、与えていけば確実に大きくなり、その後は大きな成貝を食べ3センチ前後に成長します。
 
 
 こうして、手塩にかけて育てた幼虫も河川に放流するとフナやコイ、ザリガニなどの絶好の餌食となり食べられてしまうので、放流した幼虫数の一割が成虫になれるかどうかと云う厳しさです。
杉浦醫院の池のザリガニの繁殖力には目を見張るものがありますから、定期的にザリガニ釣り大会でも開いて、来年の放流までにはザリガニを減らすのも課題ですが、自然界で自生しているホタルは、それに負けない数の卵と幼虫を残して短い成虫の命を終えていることを思うと矢張り飼育ホタルは、打たれ弱く繁殖力も劣るのかなあ~、と・・・・