2013年4月19日金曜日

杉浦醫院四方山話―229 『留守ノート4・映像・画像のデジタル化』

東京にお住まいのN氏から、「三郎先生の葬儀の8ミリフィルムが出てきましたが、当方では不要ですので・・・」と、当館宛に3本のフィルムを送付いただきました。
健造先生の葬儀は、村葬として執り行われたこともあり「頌徳誌」はじめ写真もかなりの枚数がありますが、三郎先生の葬儀資料は、数点の写真だけでした。純子さんは、こと身内の方の話題になると極力控え目で、多くを語ってくれませんから客観的な映像が存在することで、甲州の風土としても定着していた所謂「大規模葬儀」の様子が分かります。そんな甲州葬儀も近年すっかり影をひそめセレモニーホール主導のスマートなものに激変していますので、岡島全盛時代、筆頭株主でもあった三郎先生の葬儀には、医学関係者から患者さん、岡島全社員まで多くの焼香が続き、会場の遠光寺に入りきれない弔問客だったと聞いています。その葬儀映像は、風土伝承館としても大変貴重かつ有効な映像資料ですから、早速近くの写真館に相談すると「外注で東京に出してデジタル化します」と話が進みました。

下のポスターは、山梨県が1971年(昭和46年)に作成した地方病予防の啓発ポスターです。デザインと色使いのインパクトが凄すぎてちょっと引いてしまいそうですが、地方病予防の徹底を「強調」したかったのでしょう。こういう画像もすっかり見かけなくなり、消えてきていますから、デジタル保存も必要です。今回、一口にデジタル化と云っても注意が必要なことを科学映像館の久米川先生からの電話で知りました。

先生は、三郎先生の葬儀の際のフィルムが発見された旨を話したところ「ご親族の皆さんの承諾が得られれば、葬儀映像は珍しいので科学映像館でも配信しましょう」とおっしゃり、翌日の「ブログ・科学映像館だより」で、以下のようにご教示くださいました。

昨日午後、昭和風土伝承館の中野氏と電話中、日本住血吸虫の研究と治療にご尽力された、杉浦先生のお葬式の8mmフィルムが発見されとの話を伺う。そのフィルムは地元の写真屋さんでデジタル化中、しかしその処理は東京で行うので2週間を要するとの話。しかもデジタル化の費用は5,000円である。
本格的にデジタル化すれば、最低3万円前後要する。デジタル化にはピンからキリまであり、ひどい例はフィルムの修復・複製なくデジタル化。このケースは多分最低のデジタル化例であり、フィルムを映写した画面をデジタルカメラで撮影してのデジタル化と推察される。しかしこれもデジタル化である。
これから貴重なフィルム、VHSのデジタル化を行うときは、DP屋さんではなく、修復,デジタル化を行っている会社に直接、お願いされんことを。