杉浦醫院四方山話―469 『ダーク・ツーリズム-1』
京王観光が主催したバスツアーで3月だけで3回、東京から団体見学として来館いただきました。
今回のツアーを企画して1月に下見に見えたI氏の名刺には「仕入部」とあり、常に新たなスポットを提示して集客を図る旅行会社は「仕入部」と云う部署を設け、担当者はアンテナを高くして「これは!」と思う新スポットを開拓していることを知りました。
I氏は「3月末に3回予定して、京王線沿線の方を対象に参加者を募ります。ただ最少催行人数に達しなかったらキャンセルになりますが・・・」と話しながらも当館に確かな手応えを掴んだようにも感じました。
まあ、一般的には最少催行人数を少なく設定すると催行中止の確率は低くなる分、参加費は高くなり、逆に多く設定すると参加費は安くなるが、催行中止の可能性が高くなるのでしょうから、この辺の人数設定も旅行会社では過去の経験やデータからはじき出すのでしょう。
2月に入ると「3回とも参加人数に達しましたから予定通り伺います」と連絡があり、当館の見学は午前中1時間の予定であることが分かりましたから、京王観光に当館製作のDVDを貸し出し、バスの車内で事前に観賞して来館いただくよう図りました。
到着したバスガイドさんが「笹子トンネルを出てDVDを上映しましたら、昭和インターで丁度終わりピッタリでした」と報告くださいましたが、日本住血吸虫症=地方病についてご存知ない方々が、車中でのDVD観賞で「寄生虫病」であることなどの予備知識を得て見学いただくことで、より興味を持って効率的な見学会になりました。
案内しながら参加者から「DVDを観て私は泣いてしまいました。今日は休暇を取って参加して本当に良かった」と云った感想をいただくなど時間も延長しての見学会は参加者の熱意で有意義なものになりました。
このツアーは、当館と韮崎の大村美術館をセットにした企画のようですが、当初は話題性から「大村美術館目当ての参加者かな?」とも思いましたが、どっこい当館に興味があってと云う方々から直接声掛けをいただき、「日本人の旅行も時代はダーク・ツーリズムの流れかな?」と実感できたツアーでした。