「歳ですかねー」などと照れながら自分の興味や趣味として、休日にさまざまな寺社仏閣や資料館、美術館などを計画的に見て回るのを楽しんでいる友人がいますが、最近では、「歴女」とか「鉄女」と言われる歴史マニアや鉄道オタクの若い女性も多いと聞きますから、年齢や性別に関係なく楽しみ方も多様化しているのは「日本も成熟社会に入った」証なのでしょう。
当館にもそう云った方々が「お一人」で訪れる事も珍しくありませんが、過日電話をいただいた佐滝剛弘氏は、現在「全国の登録有形文化財」を回っていると云うお話から始まりました。
佐竹氏は、埼玉県から「閉館日の土曜日に来てしまった」そうですが、ご存知のように当館母屋には三郎先生の長女・純子さんが生活していて、気持ち良い天気の日には、母屋玄関の障子も開け放すのが純子さんの生活習慣ですから、佐滝氏は母屋が開いていたので声をかけたそうです。
これもいつものことですが、視力が衰えたとは云え純子さんは「おもてなしの心」を体現していますから、佐滝氏に母屋座敷等の見学対応をしてくださったようです。
母屋座敷の東一面は、造り付けの書棚になっていて、医学書に限らず多種多様な書籍で埋まっていますが、中央下段に納まっていた「国史大辞典」を佐滝氏は見逃さなかったのが、今回の電話の用件でした
佐滝氏は、NHKディレクターの仕事と並行して、下記のように多くの著書を持つ作家でもあります。(「佐滝剛弘とは・はてなキーワード」から転載)
・ 「旅する前の「世界遺産」」2006.5.文春新書
・ 「日本のシルクロード 富岡製糸場と絹産業遺産群」2007.10.中公新書ラクレ
・ 「郵便局を訪ねて1万局 東へ西へ「郵ちゃん」が行く」2007.6.光文社新書・ 「世界遺産」の真実 過剰な期待、大いなる誤解」2009.12.祥伝社新書
・ 「それでも、自転車に乗りますか?」2011.12.祥伝社新書
・ 「観光地「お宝遺産」散歩 上級者のための穴場ガイド」2012.5.中公新書ラクレ
・ 「切手と旅する世界遺産 = traveling world heritage sites with stamps」日本郵趣出版 2012.9.
・ 「国史大辞典を予約した人々 百年の星霜を経た本をめぐる物語」勁草書房, 2013.6.