2014年9月22日月曜日

 杉浦醫院四方山話―365 『9・19 朝日新聞』

 この夏から秋は、マスコミでは「デング熱」と「朝日新聞叩き」の報道が続き、現在も進行中です。そんな中、「デング熱患者数は去年は249人、今年は81人であるのになぜこんなに報道が加熱するのか?何かを隠ぺいするためではないか?」と云ったブログが、フェイスブック等で拡散され、「代々木公園で開催予定の大規模な反核集会を潰すため」とか「テレビ朝日ニュースステーションディレクターの怪死を隠ぺいするため」等々が流布されました。

 その後、このブログは、データの読み間違いによるデマ情報と裁断されましたが、正確なところは、今回デング熱が騒がれているのは、海外渡航歴のあるデング熱患者は、去年もいたが、海外渡航歴のない人がデング熱を患ったのは戦後初で、日本国内のヒトスジシマカが媒介したこの疾患による患者の発生は、70年ぶりということのようです。

 しかし、昨年も海外から国内に戻って、200人以上が発病していたとする報道は聞きませんし、グローバル社会で疾患も海外渡航歴の有る無しで大きく違う報道の在り様もどうかなぁーと考えさせられ、あながち「陰謀説」とも云えない貴重な情報でもありました。



陰謀論とは何か (幻冬舎新書)  このように、広く 人々に認められている事実や背景とは別に、何らかの陰謀や策謀があるとする見解を「陰謀説」と言いますが、自ら「陰謀論とは何か」という著書もある副島隆彦氏も「陰謀家」と揶揄されることも多い評論家です。

 副島氏が「陰謀家」と評されるようになったのは、35年前のアポロ計画で人類が初めて月面着陸に成功したという定説に、「アポロ計画は、世界中を騙すアメリカのショーだった」と「人類の月面着陸は無かったろう論」を著してからでした。この副島説は、未だ蒸し返したように採り上げられたりしていますが、副島氏は「自説が間違いであった証拠が出たら文筆家としての筆を折る」と、現在も自説を曲げていません。


その副島氏が、ネットサイト「副島隆彦の学問道場」の中で『安倍改造内閣は、第二次 "統一教会” 内閣である。』と題したブログで「朝日新聞は、謝罪などする必要は全くない」論を展開しています。

上記サイトで読んでいただく方が副島氏の正確な論旨が伝わりますから要約は控えますが、この国の世論形成に係る全てのメディアが同一論調で、時の政権までもが「それに乗って?」あるいは「それ以上に?」肩入れするような情況は、「先ず疑ってかかった方がいい」という齢65年の私の到達価値観ですから、副島氏の異論は私には歓迎すべきタイムリーな見解でした。


 

 朝日新聞の謝罪記事と山梨版での「住血吸虫はいま」の連載が、期せずして9月12日に載ったことを前話で書きましたが、連載2回目は、予告通り19日(金)にありました。

今回は、この病の「語り部」を採り上げ、西条新田の塚原省三さんや高橋積さんから若い語り部小野渉さんまで、谷口記者の取材による簡潔にして緻密な文章が光ります。

 今回の朝日新聞問題では、「次期社長を巡って社会部政治部の暗闘もあり、社内が一枚岩ではなく「内紛」に近い状態にある」などと週刊誌は報じていますが、そんな事とは無縁な一地方で、甲府盆地の暑い夏に汗を流して取材して回った谷口氏のような記者が、朝日新聞の紙面を創っていることを思うと、副島氏の見解も「陰謀説」とは無縁な「言論の自由」が保障されている日本国での一見識と私には読めました。