2014年4月17日木曜日

杉浦醫院四方山話―329 『中澤年章挿絵』

 当269話・266話・267話等々でご紹介してきた「俺は地方病博士だ」の挿絵がパネルになりましたので、二階の和室に展示しました。


  地方病と呼ばれた日本住血吸虫症は、明治37年に日本住血吸虫が確認され、大正2年に感染経路や中間宿主ミヤイリガイが発見され、地方病の実像、実態が明らかになると予防方法も確立できるようになりました。大正時代に入ると、地方病に対して様々な普及予防活動も行われるようになり、その中で、大正6年5月に発行された小冊子が『俺は地方病博士だ』です。


 この小冊子は、山梨県医師会地方病研究部が地方病の予防普及を目的に小学生に読ませるため、先に募集した説明文に絵画を入れ、絵本にして印刷発行したものです。

 この挿絵を描いたのが、「最後の浮世絵師」と云われた旧田富町出身の中澤年章だと云われています。冊子の奥付に絵・中澤年章と云う記述もありませんから、「年章作ではない」との説もあるようですが、その辺については、266話267話をご参照ください。


 今回、文章部分は割愛して、中澤年章の挿絵だけをA3のパネルに伸ばしましたので、お越しいただいて、最後の浮世絵師・中澤年章の作品をお楽しみください。