山本さんが小学生の頃、およそ55年前位前まで、毎年1月11日には、お父さんに連れられて田植え節句をしていたそうです。
「俺の記憶だと大体こんな感じだった」と苗を育てた田んぼの取水口近くに神棚の正月飾りを祀って、供え餅を真ん中に周りには米をまき、最後に酒をふるまって五穀豊穣を祈願する農家の正月行事です。
山本さんは、何事もきっちり正確に究める脳のクセがあり、自分に欠けている良いクセだと常々思っていましたが、「きのうの晩、同級生の無尽で、田植え節句の話をしたら、上河東の井上武さんが今でも毎年やっていると野中議員が教えてくれたから、正式なやり方は井上さんに聞くといいよ」と教えてくれました。更に「常永駅の辺の田んぼで、今頃やっているかもしれないよ」と。
井上武さんは、「一坪農園」や県指定文化財妙福寺の「鰐口」の管理などでお世話になってきましたから、知らない方ではないことも手伝って、その足で常永駅に行ってみました。駅前の喫茶ピクニックの駐車場に車を止めようとすると山本さんの軽トラが現れ、「こっち」と先導してくれました。
ラッキーなことに右手の田んぼに、田植え節句の準備をしている井上さんがいました。山本さんの再現版「田植え節句」に続き、正式「田植え節句」の一部始終も井上さんの説明を聞きながら撮影出来ましたので、次話でご紹介致します。