2014年1月15日水曜日

杉浦醫院四方山話―303 『田植え節句-1』

 昨年の1月12日付けの当話で、昭和町の農家で行われていた正月行事「田植え節句」をご紹介しましたが、情報元の山本哲さんから10日(金)に「明日は11日だから、田植え節句をするから・・」と電話をいただきました。とっさに浮かんだのは「新年の飲み会か?」で、「何時から、何処ですか?」と聞くと「朝6時から田んぼで」で、我に返りました。ことほど左様に一年前自分で書いた「田植え節句」も「新年会・・酒」と云った目先の要求や期待に勝手に置き換えて聞いてしまうことが多く、間違いなくしっかり付いてきた老人力と云うことで、山本さんにはお許し願って「写真を撮りに行きますから」と昭和の田植え節句を目の当たりに出来ることになりました。









 山本さんが小学生の頃、およそ55年前位前まで、毎年1月11日には、お父さんに連れられて田植え節句をしていたそうです。
「俺の記憶だと大体こんな感じだった」と苗を育てた田んぼの取水口近くに神棚の正月飾りを祀って、供え餅を真ん中に周りには米をまき、最後に酒をふるまって五穀豊穣を祈願する農家の正月行事です。
 
 山本さんは、何事もきっちり正確に究める脳のクセがあり、自分に欠けている良いクセだと常々思っていましたが、「きのうの晩、同級生の無尽で、田植え節句の話をしたら、上河東の井上武さんが今でも毎年やっていると野中議員が教えてくれたから、正式なやり方は井上さんに聞くといいよ」と教えてくれました。更に「常永駅の辺の田んぼで、今頃やっているかもしれないよ」と。

 井上武さんは、「一坪農園」や県指定文化財妙福寺の「鰐口」の管理などでお世話になってきましたから、知らない方ではないことも手伝って、その足で常永駅に行ってみました。駅前の喫茶ピクニックの駐車場に車を止めようとすると山本さんの軽トラが現れ、「こっち」と先導してくれました。
ラッキーなことに右手の田んぼに、田植え節句の準備をしている井上さんがいました。山本さんの再現版「田植え節句」に続き、正式「田植え節句」の一部始終も井上さんの説明を聞きながら撮影出来ましたので、次話でご紹介致します。