2012年11月20日火曜日

杉浦醫院四方山話―199 『廢院に向きあふ椅子や暮の秋』

 私事で恐縮ですが、10月の週末に同級生諸氏と『飯田蛇笏・龍太の「山廬(さんろ)」見学会』を開催しました。昭和43年に高校を卒業した面々の多くは首都圏で働き、定年退職で時間的な余裕が出来たのでしょう「よん燦会メールリンク」を立ち上げ、様々な行事をメンバーが企画しては開催しています。
 サントリーのチーフブレンダー輿水精一君の計らいで、昨秋は「山崎」、今春は「白州」と特別試飲のおいしい恩恵にも浴す見学会もありました。その矢先に≪世界的な酒類コンペティション「インターナショナル スピリッツ チャレンジ(ISC)2012」でサントリーは、シングルモルトウィスキー「山崎18年」と「白州25年」の双方にウィスキーカテゴリー最高賞トロフィー授与という、ISC開始以来の初のダブル受賞を達成した。≫と報じられ、トロフィーを抱く渋い輿水君が世界中に配信されました。県のやまなし大使としての活躍も期待される彼は未だ現役バリバリです。
そんな一環として、秋の故郷散策ツアーの企画を任された今回、メインを非公開の「山廬(さんろ)」として、「物見遊山の見学者ではないから」と、飯田秀実氏にお願いしたところ実現した見学会でした。飯田夫妻のご案内で、「後山」と命名されてきた裏山から山廬内部まで約2時間、「雲母」の聖地をくまなく見せていただき、県立文学館で開催中の「飯田蛇笏没後50周年展」の図録も蛇笏の落款印入りで購入することもできました。参加したK君から、メールが届きました。
―――――――(前・中略)――――――
せっかく俳句好き人間の聖地に行ったので、所属している句会にいくつか投句しましたが、選に入ったのは山廬ではなく杉浦医院で作った句でした。
   廢院に向きあふ椅子や暮の秋
                           ――――――――――――――――――――――――――――――――――――
午後は、杉浦醫院を案内した訳ですが、診察室を観て、この句を詠むK君の感性もバリバリ現役で、ボケかましの自分には、同級生諸氏から受ける刺激は、ありがたく効きます。