かつて甲府盆地一帯の地ソースとして存在した「トモエソース」を検索していく過程で、東京・上北沢のツナ商店にヒットしました。
このツナ商店は、「古い懐かしいもの」を専門に扱っていますが、ホーロー看板の一つに「トモエソース」の看板が、11,800円で販売されていました。この看板が甲府のトモエソースのモノかどうかは分かりませんが、三つ巴の商標は、大変酷似していて可能性大だと勝手にコピーさせていただきました。同時に、「トモエソース」の空き瓶3本も含め納屋に眠っていた杉浦家の古いモノもこういう世界では十分値段の付く「骨董品」であることが分かりました。
更に検索していくとトモエソース-食品工業(山梨県甲府市) - [電話帳ナビ]地図情報が出てきました。ここにある情報は、電話番号と所在地だけでしたが,早速、記載されている番号に電話して問い合わせました。その結果、甲府のトモエソースは、現在も健在であることが分かりました。
近年、町や村の昔からのガソリンスタンドが次々消えていったように、法治国家の日本では一度法律で決まると個人の思いや願いに関係なく物理的にも経済的にも廃業や転業を余儀なくされてしまうケースが後を絶ちません。かつて土地々にあった地酒が「排水や排煙」の規制で製造できなくったように「うちのトモエソースも街中では造れなくなりました」と・・・・
「関東ソース工業組合員だったので、近県の会社と共同で、現在は茨城県の工場で製造しています。スーパーなどには大手のモノが入っていますから、県内で、トモエソースを売っているのはウチだけでしょう。店は里吉4丁目で、青沼通りにありますから 」
「私の先々代が、創業者の塩沢節逢です。トンボソースとか幾つか案があったようですが、トモエに落ち着いたようです。現在は酒屋ですが、トモエソースもありますよ」と、現社主が教えてくれました。
急な問い合わせにも丁寧に応じていただいた社主は、青沼通りに「清水酒販」と云う店を構えています。茨城の共同工場で甲府の地ソース「トモエソース」が現在も製造され、清水酒販に出向いて購入し、愛用している県民がいることを知ると、それだけでもうれしくなってきました。
甲府には、江戸時代創業の「富士こうじ」の冨士井屋糀店や明治時代からの「おかめ麹」、五味醤油の「やまご味噌」など甲州味噌や醤油が根強い人気、需要に支えられて現在も営業していますが、「トモエソース」も販売されていることは知りませんでした。空き瓶のラベルには「規格比重17度以上」と銘打ってある「トモエソース」をこれを機に賞味してみようと思います。