2012年9月20日木曜日

杉浦醫院四方山話―179 『カブトムシの幼虫100匹』

 当四方山話126話『坂下嘉和氏』でご紹介した坂下さんは、自宅の庭でありとあらゆる野菜や果樹、花をつくっていますが、落ち葉や樹木のチップでたい肥をつくり、土づくりにも励んでいます。そのたい肥の中に今年は、カブトムシの幼虫が大量発生したので、「昆虫にも環境の良い杉浦醫院にどうか」と幼虫約100匹を持参下さいました。
 庭園東側の樫の木3本には、今年もクワガタやカナブンが樹液を吸っていましたから、さっそく樫の木の根元を掘って放虫しました。
写真のように白く大きな幼虫は、みるみる土の中に潜って行きましたから、杉浦醫院の土や環境が気に入ったのでしょう。
 坂下さんの生き方やありよう(実存)は、その土産に集約されています。外で飲んで深夜に坂下邸にお邪魔した帰り際、スコップ片手に真っ暗な庭のあちこちに行って、「これは落花生」「こっちはニンニク」と根こそぎ掘っては、ゴミ袋に入れて「はい、お土産」とさりげなく渡されました。前にも「庭があるならモロヘイヤを植えておくといいよ」とたくさんのモロヘイヤをいただき植えましたが、案の定・・・です。
 今回の幼虫も庭の産物ですから、坂下さんのプレゼントは本当の意味の「土産」で、そこらの銘菓や銘酒を「つまらないものですが」と差し出すことしかできない自分を「本当につまらん人間だな~」と劣等感を抱きます。
地中活動に入った幼虫に枯れ葉を掛けて「6月のホタルの後、夏休みにカブトが出ると面白いね」と云って「これから7時間程運転して、七が浜で今週いっぱい復興作業だから」と愛車のピックアップトラックで東北に向かいました。「風の又三郎のようだな~」と見送りましたが、確かな実存が醸すオーラは爽やかです。