自己紹介から東洋医学の研究に携わっているというW氏は、日本住血吸虫症が、武田家の滅亡を伝える『甲陽軍鑑』にも記載されていたことから興味を持って調べ出したそうです。W氏は、「戦国時代からこの地方には、患者がいたようなので江戸時代の漢方薬の開発からすれば、近代医学以前の地方病患者にも治療や投薬が施されてきたはずなので、それを調べているんですが・・・目黒寄生虫館にも行きましたが、その辺の資料はないと云うことで、学芸員から甲府盆地の杉浦医院に行けば、何かあるかもしれない」とアドバイスされての来訪でした。
「杉浦家は、江戸初期から医業を営んできましたから、当然、漢方医で漢方薬を扱ってきたものと思いますが、その具体的な資料やモノは見つかっていません。ご指摘のとおり、患者がいた以上何らかの治療や投薬はしていたはずですから、西洋医学での原因究明と治療法の確立だけでは、片手落ちですね」と応え、「これを機に県の機関等にもあたり、資料等あったら連絡します」とこの件は「宿題」とさせていただきました。
当館所蔵のスチブナールパッケージ |
杉浦家土蔵には江戸時代のモノや資料類も残っていましたから、もう一度、探してみようと思いますが、当ブログを読まれた方で、奇病とされていた時代の地方病とその治療や薬についてご存知の方は、「加持祈祷」も含め、ご教示くださいますようお願いいたします。