2020年1月20日月曜日

杉浦醫院四方山話―604『忍野の森の水族館・新企画』

 山梨県忍野村にある「森の水族館」は、「山梨県立富士湧水の里水族館」の愛称ですが、忍野八海でも有名な透明度の高い富士の湧水で淡水魚を専門に展示している特徴ある水族館です。

 現在、この水族館は、株式会社・桔梗屋が指定管理者となって管理・運営をしていますが、若い職員は大変意欲的で「地方病の中間宿主として悪名高いミヤイリガイの展示を考えています」と当館にも何度か足を運んで準備をしていました。

 

 当館でも独協医大の研究室の皆さんが定期的に韮崎市にミヤイリガイの採集に来ていましたから一緒にミヤイリガイを採集して、水槽で飼育を試みたことはありました。

大学では湿ったガーゼに包むようにして飼育しているそうですが、見学者に棲息環境も分かるよう水槽に斜面状に土を入れ、そこに雑草も移植し底部に水を張って飼育しましたが、永く生かすことはできず諦めた経緯なども話し「是非、水族館のノウハウでミヤイリガイが常時観れるよう展示を実現させてください」と期待しお願いしてきました。


 約4カ月後の先日「やっと一月からミヤイリガイの展示を始める段になりました」と連絡が入り、二人の職員が展示説明文の相談にみえました。ミヤイリガイを展示する水槽を囲むように地方病の説明やミヤイリガイの生態などを分かりやすく説明した文案もそのままでも十分でしたが、有病地一帯のホタルが消えたのはミヤイリガイ殺貝活動の結果でもあることを入れて欲しい旨お願いしました。

 

 既に、森の水族館ホームページ上には、ミヤイリガイ展示開始の予告も載っていますので楽しみです。

http://www.morinonakano-suizokukan.com/

 

 これで、山梨県内には地方病関連の展示資料館が当館と県立博物館に加え森の水族館の三館になります。来年度の小学校4年生の社会科教科書にも地方病が取り上げられていますから、子ども達も多く訪れる森の水族館に当館パンフも置いてもらい相互に周知を図っていくことになりました。

 

 生きたミヤイリガイを目の当たりに出来るのは、世界中でもおそらく森の水族館だけだと思います。今月下旬からの展示だそうですから、事前に問い合わせて行くのがベストかと思います。