杉浦醫院四方山話―337 『杉浦醫院ホタル観賞会』
このところ「真夏日」の予報やニュースが流れ、日中の気温は確かに上がりますが、朝夕は風が吹いたりで、ぐっと気温も下がる日々が続いていました。そんなことから当初の5月25日頃からのホタル成虫の発生予想も遅れるのではないかと気をもんでいましたが、昨夜の観賞会には、多数のギャラリーに応えるように健気なホタルが、池のあちこちで点滅し始め、8時過ぎになると舞い飛ぶホタルも多く、都市化の進む昭和町でのホタル観賞スタートにふさわしい発生状況となりました。
この日に合わせて、NPO法人・南アルプスファームフィールドトリップ主催の2014農業デザインツーリズムで、中央市のいちご園での見学や実習の後、当館を見学しホタル観賞をすると云う団体申し込みもありました。館内をくまなく見学し、二階座敷で、信玄弁当を小笠原流作法に則っていただき、暗くなったら池のホタルを観賞して帰ると云う内容のツアーでしたが、奈良や京都、東京などからの参加者もあり、みなさんも喜んでお帰りになりました。
上記のようにほぼ予想どおり、今年の昭和町のホタルは、今週から来週にかけて発生がピークとなります。昨夜もホタル採集を楽しみに虫かご持参の親子もいましたが、ホタルの成虫は2週間前後と短い「命」ですから、持ち帰っての飼育観察には適しません。
特に当館庭園の池には、ホタルのエサのカワニナも自生し始めましたから、発生したホタルの成虫がこの池の苔などに産卵し、孵化して幼虫となり、大きく育ってまた来年の今頃飛び交うよう、ホタルの自生に向けて取り組んでいますから、舞い飛ぶオスや葉陰で光るメスを持ち帰ると産卵に至らず自生は不可能になります。ホタルの幻想的な光の舞いは、発生した川や池の自然の中で観賞するのが一番ですから、そう云ったホタル観賞の「昭和ルール」と云ったものを観賞者同士でも創り上げていって欲しいものです。
今晩から、車での庭園内乗り入れとホタルの採集、持ち帰り禁止を前提に6月5日まで、杉浦醫院庭園を夜間ホタル観賞開放いたします。毎晩、ボランティアでホタル発生数の確認と見回りを近所の杉浦精さんやNPO楽空の古屋さんなどが行ってくれていることで、楽しめるホタルの光景でもありますから、皆様のご協力をお願いいたします。