ことぶき勧学院の存続を求める陳情書に 署名する生徒たち=山日新聞= |
昨夜、甲府市総合市民会館の会議室で定期的に開催されている「木犀会」という自主学習サークルで、杉浦醫院や地方病について話す機会をいただきました。本題に入る前に、この「木犀会」の歴史や運営について、興味があったので尋ねたところ、実に27年間続いている学習会であることや参加者が身銭を出し合い運営していることが分かり、この間、山日新聞などで度々話題になっている「ことぶき歓学院」についても意見交換出来ました。「ことぶき歓学院」は、県の事業仕分けの対象になり、仕分け人全員の一致で廃止が決まったことから、在籍者や関係者が、存続を求めて投書や署名活動を活発化させているシルバー世代の社会教育機関です。「木犀会」のメンバーにも「歓学院」でも学んでいる方もいましたが、「歓学院は、木犀会に学ぶべきだ」とする私見を述べました。市町村の教育委員会も毎年、歓学院の入学受け付け窓口になっていましたので、「歓学院」のシステムと内容が既に役割と魅力を失っている実態を十数年前から公言してきましたので、その根拠と理由も挙げて、意見交換の具体化を図りました。
①一年間の開設講義の内容が、県教委作成のカリキュラムとして提示されていること
②受講印による年間多受講生の表彰制度など教育システム的運営であること
③この事業の担当者は、教員の期間出向者で、現場感覚と改革意識が希薄なこと
④県内教職員の退職者の占める割合が多く、教職員OBの同窓会的雰囲気が濃厚なこと
⑤シルバー世代の生涯学習機会だけが、税金で設けられている根拠が曖昧なこと 等々
学校教育も修了し、社会人として職業生活も終えたシルバー世代が対象なのに①②のように学校教育に準じた制度と類似した運営であるという根本問題や批判、改革要求に③④のような実態から、これまで抜本的な改革が図られて来ませんでした。
年間予算4500万円と云う「税金」で運営さる学習機会が、なぜシルバー世代限定で開設されなければならないのかの明確な根拠はありませんし、故宮坂広作氏が事あるごとに指摘していたように、むしろ、この時代の社会教育は、世代に関係なく就労に繋がる「職業教育」や「資格取得講座」、「防災」や「放射能」等々の現代的課題学習の開設に税金は向けられるべきでしょう。
そういう意味でも何を学ぶかは、学ぶ本人が決め、予算が切られたら学べない、学ばないのではなく、切られてもどう学んで行くかが問われていることを「歓学院」で学んで来た皆さんには自覚いただき、木犀会のノウハウも伝授してやって欲しいと結びました。