平成8年2月に山梨の地方病も「流行終息」が出され、県内の有病地25市町村で組織した「山梨県地方病撲滅協力会」も終息碑を建立して解散しました。今年は節目の20年になりますので、山梨県でも博物館が特別展など開催するでしょうが、当館でも講座を開設したいと企画中です。
杉浦三郎博士が昭和52年に82歳で亡くなった後も地方病の患者さんはいましたから、県内の多くの医師が引き続き治療と研究に携わりました。
元県立病院の横山宏先生、共立病院の加茂悦爾先生、元市立病院の林正高先生は、その代表格でしょう。
この三人の先生方は、揃って現役の医師としてご活躍中ですが、間もなく90歳を迎える横山先生を筆頭に80代で一番お若い林先生も昨年大病を患ったそうで、この機会にそれぞれの先生方の「地方病」について、是非ご講義いただき記録としても残しておかなければと思います。
また、地方病終息に向けての取り組みも官民一帯のまさに協働の活動でしたから、特筆すべき内容と歴史性を内包しています。県衛生公害研究所はじめ各保健所での取り組みや昭和町の行政と住民の具体的な活動など当事者だった方々の話もこの先だんだん聞けなくなっていくでしょう。
更に、科学映像館の久米川先生のご協力で、当館には国内にある日本住血吸虫症関連の映像は、ほぼ全作揃っていますので、受講者には長短含めて全ての作品を鑑賞していただけるよう組み入れていきたいと思います。
当館二階の「座学スペース」:53インチのTV画面でデジタル化した映像が楽しめます。 トップページ左の「映像資料の公開」のバナーをクリックすると観賞可能な映像の詳細が分かります。 |