杉浦醫院四方山話―322『西条小ホタルの放流』
今年度、西条小学校の4年生が総合学習の中で、当館にも見学に来て源氏ホタルの学習や地域の歴史を学びながら、学校でホタルの幼虫飼育を続けてきました。その幼虫を学区域でもある当館の池に放流したいということで、18日(火)に学校に出向き、4年生の飼育した幼虫を預かってきました。
その際、幼虫が成虫になる過程を話して欲しいと先生から要請がありましたから、子どもたちには、幼虫を100匹放しても成虫になるのはせいぜい20匹で、多くは池や川にいるコイやフナ、ザリガニに食べられてしまう食物連鎖や自然生態系について説明し、「杉浦醫院の池は、ホタルの生息環境としてはとても良いので、勝手に魚を放したりしないで欲しいし、ザリガニは自然発生するので、ザリガニを釣ってもらうとホタルのためには助かる」と具体的に話しました。
その日の放課後から、4年生の男の子が池に来て、ザリガニを釣り始めました。
「網で池の底からすくうと幼虫も一緒に入ってしまうから、網は使わずに一対一の釣りだけだよ」と声をかけると「はーい」と元気な返事。
エサに魚肉ソーセージやイカなどそれぞれが持参して釣り始めると近所の低学年の子も加わりました。
「釣ったザリガニはどうする?」と聞くと「家で飼います」の模範回答や「僕は西条食堂の裏の川に流します」とか「ホタルの幼虫を食べてるザリガニが釣れました」等々時間を忘れて釣りに興じています。
そんなわけで、西条小の4年生には、「君たちの育てた幼虫が何匹いたか、しっかり数えて報告するから」と約束しましたので、預かった水槽から幼虫を仕分けました。
ご覧のように幼虫の習性で、固まってしまって数えにくいのですが、しっかり成長した幼虫123匹を池に放流することができました。ザリガニ釣りでアフターケアーまで頑張っている西条小児童のためにも初夏には成虫になって乱舞してほしいと願わずにはいられません。