2019年11月20日水曜日

杉浦醫院四方山話―598『山梨県立大学看護学部』

 先日、昭和町いきいき健康課で実習中の山梨県立大学看護学部の学生4名が午前中当館の見学に見えました。「杉浦醫院に行けば昭和町の歴史は全部分かるからと言われてきました」と来館理由も素直に告げるので「昭和町の歴史全部と云ったら時間無制限でいいのかな」ですが「午前中いっぱい大丈夫です」と云うので「じゃあ看護学を学んでいるなら地方病に絞って2時間やりましょう」と見学会をスタートしました。

 

 山梨県立大学は、どんな変遷をたどって現在どんな学部があるのか知りませんでしたので、この機会に整理してみました。

大学のH・Pによると池田キャンパスと飯田キャンパスがあるようで、池田キャンパスは、昭和28年に開校された山梨県立高等看護学院を母体として平成7年に山梨県立看護短期大学となり平成16年に山梨県立大学として文科省から認可され現在に至っているようです。

飯田キャンパスは、昭和41年に国文科・家政科・幼児教育科の3科編成で山梨県立女子短期大学として開校し、後に国際教養科を設置したり家政科を生活科学科と名称変更するなどして池田キャンパスの看護短期大学と合併し、平成16年に山梨県立大学になったようで、現在は、男女共学で国際政策学部・人間福祉学部・看護学部の3部構成のようです。 

 まあ、このように元々は別の学校を一つにまとめるとなるとそれぞれの教職員から同窓会までが「ウチが母体」の本家争いの綱引きが一般的で、かつセクト主義的にそれが永く尾を引くのも特徴でしょう。山梨県立大学のその辺に詳しい方がいましたら、是非話を聞かせてください。

 

 それは、山梨県立高等看護学院以来の卒業生が県庁から市町村の保健師として「鉄の結束」で見事なピラミット体制を構築し、その体制になじめない心優しき?方々は辞めって行った事例を観たり聞いたりしてきたからでもあります。今回の4人の学生も至って真面目で、皆さんクリップボードを用意し、私の話を一生懸命メモしているので思わず「午前中の研修報告として提出するよう言われてるの?」と聞いてしまいました。


 これも一般的な話ですが、見学会や講演会などでメモを取ると云う行為は熱心で良いことのようになっていますが、果たして本当でしょうか?話をしっかり聞いて「?」とか「なぜ?」と云った疑問点をメモすることは必要ですが一言一句メモしようなんて無意味ですし間違いでしょう。メモするための見学ではなく新たな発見や知らなかったことを知ることに心が動くこと(感動)に見学の意味や必要性があると私は思っているのですが・・・・


 現場実習は3年生の必須のようですが、3年間山梨県立大学の看護学部で学んできたはずですが、正直な4人は「地方病については何も知りません」「学校でもやってません」とのことで、全くの白紙状態でした。「そうか。横山先生が辞めてから地方病を教える先生が居なくなったのか」と話しましたが、2年制の高等看護学院・看護短期大学時代には山梨の風土病でもあった地方病を横山先生が教えていたのに4年制の大学になったら教えていないと云うのもおかしな話です。県庁OBの薬袋勝氏や梶原徳昭氏など有識者も揃っているのに・・・です。


 そんな訳ですが、彼女たちはみっちり2時間、しっかり学習して帰りましたが、純真無垢で向学心に溢れた(ように私には見えた)学生に大学はどんなカリキュラムを用意しているのか?今日の4人は昭和町に実習に来たので地方病も知りましたが、山梨県立大学として看護学部に限らず、地方病=日本住血吸虫症の病理や終息に至った歴史を学ぶ機会を是非お願いしたいと思った次第です。